去る2月25日富山県立山山麓・極楽坂スキー場にて
  待望の視覚障害者になって初めてのスキーに体験して来ました。  



 私が今このホームページを作るきっかけとなったのがこのスポーツです。
  視覚障害者になって初めの頃 以前の様にスキーがしたくて やっと見つけていただいた
北日本新聞の小さな記事をある支援センターの方が今から一年前に 時間をかけて見つけていただいた
のがキッカケで、今回の体験につながったのです。
 その時点から私は積極的になり ジムにも通い始め 毎日のウォーキングにと 当日に
そなえ 準備を心がけるようになりました。
 そして体験当日になり 夢であったゲレンデに立つことが出来たのです。
当日は富山三ツ星会様のスキー教室に参加させていただきました。
今年は暖冬でほとんど雪も降らず 積雪も少なく、気温も4月を
思わすポカポカ陽気となり 雪の状態はあまりいいとは言えず
かなり水分を含んだ雪面状況と成りました。  それでもゲレンデに立てるとの喜びが勝ち 早く以前の様にさっと
滑り始めるのを今か今か胸を時めかして待っていました。
そして ボランテァの人の力を借りて いよいよ靴を履き
板を履く時がやって来ました。
つま先を合わせ、後は踏み込むだけ・・・
所がこれが出来ない・・・あれっ、予定と違う・・・
やっとの事で板を履き リフト乗り場まで、あれっ
進まない・・・
こんなはずでは と思いながらリフトに乗りゲレンデ上部へ
リフトから降りると早速・・・あれっ山側はどっち谷側は・・・
スキーの板のポジション取りが出来ない・・・なんだこれは・・・
スキーを初めてした時よりひどい・・・そして、ついにパニックに
身体の中のチェックポイントが機能しなくなり、自分ではコントロールが
完全に出来なくなり まったく滑る以前に、バランス良く立つことすらも
こんなはずでは・・・と思ってみても解決策が無い、斜面が読めなくては どうもしようが無く、以前のような修正が出来ない。こんなはずではと思った
なにもできないまま 午前の部が終わってしまいました。
くたくたになり、あんなに好きだったスキーが嫌いに・・・。

 そしてお昼ご飯、当然食欲もなく、久しぶりに落ち込みました。
このままで終わるのは 嫌だったのでなんとか考え方を変えなければと
思い出したのがテニスのコーチの一言「目で、ボールを追いかけてはだめ」
そうなんです、長年続けて来た時は、目からの情報に頼り、そこから先の情報を
確認し、次の行動をとり、その先の先まで読み 予想しながら体が反応して行く
事によって 流れを自分のペースに持って行ったのです。
例えば、卓球のサーブを打つ、右から左エ横回転のボールを打つ、すると基本自分の
左側に返球の可能性が高い、ので左に重心を掛ける、でその球をカットで返球すると
次はショートで帰ってくる、と流れお読み準備が出来る、だから反応出来る。
 スキーも同じで、ゲレンデの数多くの情報を目から見て集め、頭の中で自分の
コースを組み立て、周りのスキーヤーをチェックしてからスタートする、なるほど
滑れるわけがないですよね(笑顔)
 そこで午後の部では、とにかく足元の感覚に集中し ボランテァの方の声掛けに集中
する事によって少しづつ余裕が出て来て、滑るための基本を確認しながら、身体の力も
抜けていき、身体が徐々に反応していき、まだまだ以前の様にはいかないまでも、次回に
つながる滑り(?)が出来たような気がします。  小・中学生の頃から、監督に「ボールから 目を離すな」と叩き込まれ 目から始まる
動きを身体にしみこませ、どうしても見ようとしてしまう、ですが今の私には、それが出来ない
改めてその事を思い知らされた一日でもありました。
そして見えるという事の凄さ、大事さ、改めて気が付き、パラ・アルペン(ブラインド)
の選手の凄さも改めて思い知らされました。
   最後に、こんな私に付き添っていただいたボランティアの方々、富山三ツ星山の会
の方々、準備段階からのご苦労、またご気遣い、ありがとうございました。
おかげで 新たな目標も出来、前に向かって進む事が出来ます。
本当にありがとうございました。  昨年支援団体の方が見つけていただいた新聞に、今年は私が記事に
コメントと写真が載ったようです。

富山県三ツ星会の皆様と       以上