ある日突然、視覚障碍者に・・。
少しづつ視力が・・この先数年後に、
何も見えなくなるの・・・?

 怖い・・・、不安・・・、絶望・・・、
そして、これから色々な人達、家族や
周りの人達に 迷惑を掛けるかも・・・
生きて行くのが、とても苦しく、辛い・・・
そんな風に 私も思い悩みました。

 来る日も来る日も 良くない事ばかりを考えて
毎日を、過ごしていました。

 そんなある日、たまたま繋がった
相談委員の弾けるような声、この人なら
私の心の叫びを聞いてもらえそう、
話をしてみたい、と思い 手探りで
家から飛び出し どのようんにしてその場所まで
行けたのか、今でも思い出せません。

 それから一か月ほどただただ話を聞い
てほしくて ほぼ毎日通うようになりました
すると 気づかない所で 私の事を心配して
道筋で声を掛けていただける人と 出会う
ようになりました。

 丁度その頃、センターに居てた視覚障碍者の方が
「白杖は?」と尋ねていただきましたが、まだその頃の
私には、視覚障碍者になってしまったのだ・・・
という思いが強く、自分で現在の状況と正面から
向き合う事ができていませんでした。し
そうしようともしませんでした。

 すると、先ほどの方が 「一度、持ってみ、私
もう一本あるから 使ってみ」と白杖を私に一本
貸していただいたのです。

 そして、「一か月先でもいいから、ちゃんと使い方
教えてもらっておいで、返すのはそれからでいいよ」
と言うと、立ち去っていきました。

 それからまづ 教えていただけるところを
探し、そこでもまた素敵な先生とも出会い
必死で練習をし、まずは家の近くのコンビニへ
電車に乗って繁華街へ、初めて一人で喫茶店に
入り、コーヒーを飲んだ時これは、本当に私?
そんな風に一歩一歩前に進みだすようになりました。

 そして今、振り返って思うことは、私は最初の一歩
を踏み出しただけ、ただのそれだけ そしてそこから
たくさんの方々との出会い、また周りの人達の温かい
声かけ、そして 季節の花の香、いろんな食べ物の良いにおい
美味しそうな匂、電車での一人旅、温泉にも入り、大好きな
スポーツ、テニス、スキーetc 色んな事にチャレンジでき
その場面、場面で色々な方に迷惑をかけ、あるいは応援して
いただき、以前悩んでいた私に今の姿を見せてやりたいと
   思えるようになることが出来ました。
 がそこで大事なことは、皆さんの理解、思いやりがあってこそ
なんだと考え、逆に決して一人ではない と思える事がとても大切
なことなんだと理解して 明日からも生きて行こうと思います。
 今、私の毎日は 大変忙しくなり、スマホ、パソコンと今までは
苦手だと敬遠していた事も、あれほど嫌だった 白杖を持っての歩行も、
必死で勉強もし、自分で練習もして とても充実した時間を過ごしています。
その上で、一人でも多くの方が
風を感じて、大声で笑い 汗をかき、今の自分は決して一人ではなく
逆に 私達と出会う事によって周りの人達をも 皆で笑いの絶えない
そんな素敵な空間を造り、また時間を共有し
互いに 目標を持ち、未来に向けて歩むことが出来れば
と 心より願ってこの会を造りたいと思いました。
   以上。